第6回目県内33市町村人権施策動向調査

　部落差別解消法（平成28年12月施行）から本年で8年が経過しました。神奈川県本部は本法律が県内部落問題の解消に向け適切な運用が必須であるとの認識から、本法律第3,4,5条に明記された国と地方公共団体の責務及び役割「地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて」「国は地方公共団体と連携を図りつつ、その地域の実情に応じた施策を講ずるよう」と明記された条項について、本法律が国や地方公共団体にて適切に運用されているかについて、法施行後6年間（1回電話にて調査）に渡り動向追跡アンケートを県内33市町村に対し実施してきました。アンケート回答率は33市町村のご協力によりこれまで100％となっています。
　本アンケートは、「部落問題、ヘイトスピーチ、ＬＧＢＴ施策、ＳＮＳ等ネットに関する啓発施策」について10項目の設問となっております。
　また本アンケートは、県本部次年度の運動方針を決定する目的で実施して来ましたが、昨年の第5回目からは回答内容を33市町村及び県庁、横浜地方法務局本局を訪問し公開を開始し回答内容に基づいて施策の実情について協議を実施しております。

　令和6年11月27日に実施されました「令和6年度中央省庁定期要請行動」の席上自由同和会中央本部平河事務局長から法務省に対し「部落差別解消法のこれまで実施してきた内容」「部落差別解消法の今後の施策について」質問がなされ、法務省人権擁護局井川人権啓発課長から「これまで地方公共団体に対し施策等を指導し実効してきている」「引続き地方公共団体と施策を継続して行く」との回答がなされました。

　しかし、神奈川県本部が法施行後実施してきた6回の調査結果では、法施行後から現在まで「国や県」から施策の指示について「これまで特に具体的な施策指示・指導は無い」との回答が100％となっている。
県本部常任理事会は33市町村以外に神川県庁、横浜地方法務局人権擁護課からも同様の回答を得ている。
これまで県内33市町村全てが6年間に渡り虚偽の回答をしてきたとは到底考えられない。
法務省が本法律当事者団体である私たちに公式な席上で虚偽の回答したとなれば、一日も早い部落問題完全解消を目指す当事者団体である私たちに対して法務省は本法律を軽んじて「適切では無く」「適当に」扱ってきたのではないかと疑義を持たざるを得ない。県本部は今後この問題の事実関係を精査し、その結果を公開し神奈川県内関係各機関と連携を図り県内部落問題を含むあらゆる人権問題の早期解決に取組んて参ります。

令和6年12月11日
自由同和会神奈川県本部
　 会　長　八 木 橋 聖 一